2021年のキングオブコントが良すぎて寝られないので書く。
今年のKOCは間違いなく神回だった。審査員も良かったし、ネタも演者も、ぜんぶ最高だった!
それぞれのネタの批評をしている人はたくさんいるだろう。
このブログでは、 私は「KOCで評価されるネタ、その傾向」という話を不粋ながらしていこうと思う
●ツッコむかツッコまないか
●人の感情が描けているか
要約するとこの二つがポイントとなる。
まずは
「ツッコむかツッコまないか」
について。
コントの分け方はいろいろあるけれど
「ツッコミがあるか、ないか」でまずは大きく分けれると思う。
ツッコミがあるコント、これはテレビでみるコントのほとんど。
劇中、なにかボケ(もしくは、オカシイこと)が起きたら
「なんでだよ!」「おかしいだろ!」とツッコむタイプのコント。
歴代のKOC王者だと、バイきんぐ、ロバート、東京03などがこれに当たる。
そして、「ツッコまない」コント。テレビで流れるコントではこのタイプは少数派である。
ツッコまない、とはどういうことかというと、劇中の演者はあくまで真剣にやっていて(ボケてはない)それに対して客席(見ている我々)が心の中で「それオカシイだろ!」とツッコむ、ということである。
このタイプのコントをしているのは歴代KOC王者だと、シソンヌ、ハナコなど。
それぞれにメリットデメリットはある。
「ツッコむタイプのコント」は必然「ボケ・ツッコミ」という流れになるので
ボケ数=笑いの数が増やしやすい。キラーワードさえぶち込めば笑いになる可能性もある。
反面、デメリット、というわけではないのだが「それ漫才でもできるよね」ということが多い。今回のKOCで奇しくもニューヨークにたいして松本氏が「それ、漫才でできるよね」と言っていたがまさにそういうことである。サンドウィッチマンのネタを見ているとコントと漫才で全く同じネタをやっていたりする。いわゆる「コント入りする漫才」だ。
一方「ツッコまないコント」はどうか。ツッコまない=ボケない。つまり、我々は状況や彼らの演技からおかしみを感じとるのである。これは、漫才ではできない。「コントしかできないコント」である。一方で小ボケを入れたりできないので笑いの量が減る、状況を理解してもらえないと終わるのですべるリスクがある、演技力が必要、など手を出すのには勇気と技術が必要だ。
最近のKOCを見ていると「コントらしいコント」が評価されているように見える。もちろん、面白ければなんだっていいのだけれど、「ツッコむコント」は漫才でもできるが故に、それこそサンドウィッチマンレベルでネタの精度が高くないと厳しそうだ。つまり、見る側の評価が辛くなるのである。
今回のKOCではどうだったのか。まとめてみた。
順位 | コンビ名 | つっこむかつっこまないか |
1 | 空気階段 | つっこまない |
2 | ザ・マミィ | つっこまない |
3 | 男性ブランコ | つっこまない |
4 | 日本の社長 | つっこまない? |
5 | ジェラードン | つっこむ |
6 | 蛙亭 | つっこまない? |
7 | ウルトラブギーズ | つっこまない |
8 | そいつどいつ | つっこむ |
9 | マヂカルラブリー | つっこむ |
10 | ニューヨーク | つっこむ |
(セカンドステージにすすんだ3組についてはファーストステージのネタを参考にした)
いかがだろうか。こうしてみると仮説は意外といい線をついているような気がする。なお、つっこむタイプのコントをやっているコンビは漫才のプレーヤーでもある傾向があることにも注目したい。
さて、つづいては2つ目のポイント、
「人の感情が描けているか」である。
コントは途中で泣かせたり、エモくなったり、あるいはホラーで終わったり、
ただ「笑わせる」だけではない感情の揺さぶりが可能だ。
これも、漫才とは大きく異なる点である。
「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くで見ると喜劇だ」-
というのはチャップリンの名言だが、
まさに「悲しいのに、なんか笑える」とか
「面白い場面なはずなのに、泣ける」といった
ギャップがあるコント。それこそが
「コントらしいコント」「コントでしかできない表現」であり、
最近は評価される傾向にある。
こちらも、今回のKOCで検証してみよう。
順位 | コンビ名 | エモーショナルなシーンの有無 |
1 | 空気階段 | 有(命がけで助ける) |
2 | ザ・マミィ | 有(偏見をもたない男性) |
3 | 男性ブランコ | 有(女性への愛) |
4 | 日本の社長 | 無 |
5 | ジェラードン | 無 |
6 | 蛙亭 | 有(生まれる母性) |
7 | ウルトラブギーズ | 無 |
8 | そいつどいつ | 無 |
9 | マヂカルラブリー | 無 |
10 | ニューヨーク | 無 |
いかがだろうか。こちらも因果関係が証明できたような気がする。こうしてみると、ネタの構造から考えると蛙亭がもっと評価されてよかった。
トップバッターだったからなのか、台本の良し悪しではなく表現力(つまり、演技力)の問題なのか。蛙亭にはこれからも期待したい。
まとめです。
これから、あなたがKOC優勝を狙うなら―
・ツッコまないコント
・エモーショナルなコント
つまり、「コントでしかできないコント」をつくると良さそうです。
まあ、そうは言っても、
結局にゃんこスターとかどぶろっくとか
圧倒的に面白きゃなんでもありなんですけどね。
はじめまして!
いつもなすこさんのインスタ楽しく拝読しています。
私もお笑いが好きで、昨夜のKOCも食い入るように見ていたので、このコラムも大変興味深く読ませて頂きました。
なすこさんの仮説、説得力ありますね!
少なくとも今年の審査員の好みは、「つっこまない」&「エモーショナルなシーンがある」コントである傾向がありそうですね。
(昨年は決勝3コンビのうちジャルジャルとニューヨークの2コンビが、「つっこむ」&「エモーショナルなシーンがない」コントだったので)
しかも、新しく審査員になったコント師たちが全員「つっこむ」&「エモーショナルなシーンがない」コントをしている(テレビでしか見てはいないですが、たぶん)というのがまた面白いです。
ちなみに、ジェラードンの海野も吉沢亮にちょっと似てると思うのは、私だけでしょうか…
あと、なすこさんがお好きな芸人さんも気になります。
興奮のあまり長文になってしまってすみません!
これからもなすこさんのインスタ楽しみにしています(^o^)
熱いコメントありがとうございます!そうなんです!審査員は全員「ツッコミ」「エモくない」スタイルなんですよね。自分がしないから新鮮に見えたのもあるのかなあと思ったり…。今年は例年になくエモいネタが多く、ぺこぱの「つっこまない漫才」じゃないですけど、そういう優しいネタが時代の流れなのかなあ…なんて思ったりしました。ちなみに、最近注目してるのはランジャタイです笑