アニエスベー20年周期説

先日、アニエスのお店にふと立ち寄ったら

“I hate fast fashion”とでかでかと書いてある

カタログが目に留まりました。

カタログの内容を要約すると、

「いまサステナブルとかSDGsとか話題だけど、

アニエスはブランドを立ち上げた1975年からずっと

そのことを考えてやってきたよ、生産の40%はフランス国内で

つくることを目指してる。外でつくれば70分の1のコストになる

ことはわかってるけど、私たちはフランスの技術や文化を後世に残したい。

それにみんなが国内でつくれば、適正な価格で生産量を維持することだって

できると思うから」

だそうです。

この真摯な取り組みはもちろん賞賛に値するのですが、

私が何よりすごいと思うのが、

アニエスのブランドとしてのブレなささです。

今でこそプレッション(カーディガン)は大人気で

アニエスの定番アイテムですが、

アニエスは一時期確実に下火でした。

ダサいブランドとさえ思われてました。

(アラフォー以上の人ならわかるはず…)

だって、セレブファッションだとか

エビちゃんOLだとかいってるときに

よくわからん写真をデカデカとプリントした

アーティスティックなワンピースをだしたり、

オーバーサイズじゃなければ人にあらずみたいな時代でも

相変わらずウエストシェイプした姫っぽいコートなんか

販売したり。

時代無視。売ってるものがおそろしくブレない。

たぶん私、アニエスが10年前のコレクションを

今年の新コレクションです、って出しても

気づかないと思います。

ここまでブレないのはもはやアニエスか

ヒステリックグラマーくらいかもしれません。

そうです。

もちろんアニエスのエコに対する取り組みは

偉いのですが、それよりなにより

そのブレなさ、

それがいちばんのサステナブル。

アニエスの洋服はもう、フィロソフィーなんですね。

イームズのチェアとか柳宗里のミルクパンとか

そういうレベル。

ただ、残念ながら椅子や日用品と違ってファッションなので

周りの人からはアニエスを着てるとダサく見えるときが来ます。

ファッション=トレンドの反映だからです。

繰り返しますが今はアニエスが再ブレイクしてるので

想像つきにくいと思いますが、確実にその日は来ます。

でも、思いました。

アニエスレベルでグローバルなブランドなら

例え日本で売り上げが落ちたって

世界のどこかで売り上げが立ってればいいのです。

いくら流行に時差がなくなっているとはいえ

ローカルな潮流は必ずある。

その機を逃さなければ会社としては存続可能です。

そして世代間のギャップもある。

我々からすればアウトなデザインがZ世代にはインだったりする。

そう考えるとアニエスのビジネスモデルって

ファッションとしてめちゃくちゃすごくないですか。

時代ごとに自分たちの売り物を変えるのが通常のファッションの考え方。

でも、アニエスは自分を変えずに、

相手を変えていく。(売れる相手を見つけていく)

日本では今のところ、アニエスは20年周期でブームが来ているようです。(ほんとか?

私たちがアニエスをいつか見放し、そして再びアニエスブームがやってきたとき。

何も変わらない笑顔で(そして何も変わらない売り物で)

「お帰り、待ってたよ」とアニエスは受け入れてくれるでしょう。

つまり、アニエスは港だったんですね。

そうか、だからアニエスの鞄ラインは

「アニエスベーボヤージュ」だったのか!